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第7話・魔法が解けまして 7

ผู้เขียน: 阿良春季
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-06-23 06:27:14

 ミオが病院から屋敷に戻ると、丁度レイが手紙の山を抱えながら書斎から出てきたところと出くわした。

 手紙を崩さないように懸命に抑えているせいでレイの視線は手紙の山に向けられている。

「レイ様、それは全て郵送するものですか?」

「ああ、エクラが来ただろ? 冒険してた頃に良くしてくれた人達にそのことを報告しようと思ってさ。あと報告しとかないと面倒なところとか。あとジャガイモのことと、ミオのことも書いた」

 最近はジャガイモの種芋の輸出を視野に入れているらしい。幽霊島同様、困窮した国や飢饉の国ではジャガイモ栽培はまさに救いになるだろう。それに外貨の獲得は貴重である。

 グランツ言うところの医療国家を目指すなら設備は整えなければならない。例えエクラを奴隷のように毎日酷使したとしても今のままではまずいだろう。ならば尚更金は稼がなければならない。

「あのグランツ様から日用品を融通してほしいとリストをいただきまして……」

「あーちょっと待って、ごめんミオちょっと持ってくれ」

「あっはい」

 ミオに手紙の山からいくつかの手紙を手渡そうとしてレイはそこで今日初めてミオの顔を見た。彼はその漆黒の目を見開いたまま時が止まったかのようにミオを凝視する。

 それはもうまじまじと、穴が開いてしまうのではないかと思うほどミオの瓶底眼鏡の顔を見つめている。

「ミ……オ……?」

「はい……?」

(えっ何これ)

 あまりにもレイに見つめられているため、ミオは段々困惑してしまう。眼鏡がそんなに珍しいのだろうか。

「あのさ、まさか、なんだけど」

「はい」

「まさか……もしかしてその……昔どこかで会ったことないか?」

 突然そんなことを切り出されミオは虚を突かれたかのように目を丸くした。確かに昔フロード王国でミオとレイは出会っている。しかしレイはあの時毒にやられ、ずっと熱に浮かされていたはずだ。それを自分が看病した。

 会ったと言えば会ったのだが、ミオは目覚めたらレイはいなくなっていたのでちゃんと言葉を交わした訳ではない。

 なのでミオは正直に告げた。

「ええ。フロード王国の城近くの森で一度、倒れていたレイ様を看病したことがあります」

「あっ……」

 レイはそう呟いたきり固まってしまう。手紙の山がかれの手元からバラバラと落ちた。

「なっ何で言ってくれなかったの……?」

 呆然とした顔で、やっとと言ったか細
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